最近当店にご来店いただくようになった80代女性のお客様のお話です。
もともとその方は、別の補聴器店で補聴器を購入されていました。
購入店へ10年ほど通い、
その間買い替えもされたそうですが、
ご家族様より
「補聴器を着けても着けていなくても
あまり聞こえが変わっていないようだ」
ということで
購入店ではないものの、当店へご相談いただきました。
(当店は弊社以外で購入された補聴器も無料で再調整やメンテナンスをさせていただいております)
まずはパソコンに補聴器を接続し、音質調整が適切か確認する事に。
調整とご本人様の聴力を照らし合わせたところ、
低音があまり聞こえていない事が分かりましたので、
低音の音をより大きな音で出力するような音質調整に変更。
しかし、
調整した補聴器の聞こえを確認していただいたところ、
少し良くはなったものの、大幅な改善は感じないとのこと。
そもそも言葉の聞き取りの点数が最高50%と、
補聴器を使ってご本人様が満足される
補聴ができるのか悩ましいところでもありました。
※聞き取りの点数は、
ヘッドホンで様々な音量の言葉を聞いていただき、
言葉を聞き取る力を測定した値です。
(音を認識する力とは異なります)
この値が低い場合、理論上は、補聴器で音を増幅しても
その数値以上の聞き取りはあまり期待できないということになります。
しかし、骨導聴力の値はよかった為、別の案を検討してみました。
あきらめず、聴こえを改善するのが補聴器販のお仕事の醍醐味です♪
その方の補聴器は耳掛け式補聴器で、
市販のイヤホンについているような円形の耳栓を付けられていました。
音をしっかり届ける為に
イヤモールド作製の提案をさせていただきました。
イヤモールドとはその人の耳の形に合わせて作る、オーダーメイドの耳栓です。
肌との間にすき間なく音がしっかりと鼓膜に届くため、
特に、低音の聞き取りが苦手な方に効果が期待できます。
しかしながら、耳に補聴器をかける部分が少し肉薄。
これだと耳から外れやすそうだということで断念。
そこで、耳穴補聴器のお買い換えをご提案させていただきました。
今回ご提案した補聴器はフォナックの耳穴補聴器バートM-312です。
フォナックの補聴器は「オートセンス」という機能を搭載。
補聴器が「雑音が多い」とか、「静かな場所」という周囲の音環境を感知し、
それに合わせて最適なプログラムを自動的に選択・ブレンドしてくれます。
そして、本体のカラーは従来の肌色ではなく
黒色が選択できるという点も気に入っていただけました。
色を変える事で、補聴器っぽくなく最新のデジタルイヤホン感覚でご使用いただけます。
一旦お渡ししてしばらくの間、聞いていただいた後に
形状調整の為、一旦お預かりさせていただく期間があったのですが、
その間元々持っていた耳掛け補聴器を使用され、
「聞こえ方がぜんぜん違う!早く新しい補聴器を使用したい!」と仰っていただきました。
最終調整での言葉の最高の聞き取りは点数、なんと80%!
半分聞き間違えるという状態から、
補聴器を付ければ8割聞き取れるという効果により、
ご本人様が「聞こえる」という実感だけでなく、
客観的な裏付けのデータも大満足の結果になりました。
どの方でも耳穴にしたら聞こえが改善されるという訳ではなく、
大切なのは、その方の聴力や耳の状態・ライフスタイルにあった補聴器をご提案する事が大切だと考えています。
お悩み事がありましたらお気軽にご相談下さい。
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