補聴器の種類と特徴

多くのメーカーから様々な種類の補聴器が開発・販売されていますが、基本的には下記の種類に分けられます。それぞれ特徴がありますので、ご自身に合った補聴器をお選びいただくことが大切です。

RICタイプ

この種類の補聴器は、「RIC(リック)タイプ」と呼ばれています。マイクやアンプなどが搭載された補聴器本体は耳の裏に位置し、そこから電線でつながったレシーバーという音を出す装置を耳穴に挿入します。見た目がBTEタイプと似ていますが、レシーバーの位置が異なります。比較的新しいタイプの補聴器です。

長所

● 需要が高く、本体サイズの制約も少ない為、近年の傾向としては、メーカーが新しいテクノロジーを開発した際、まず最初にこの形状の補聴器で発売する場合が多い(=最新のテクノロジーを享受できる)

● 一般的にBTE 型より本体(耳の裏に位置する部分)が小さく、本体とレシーバーを繋ぐ電線部分も、BTEで使用されるチューブよりも細い為、目立ちにくい(耳に髪が被さるような髪型であればほとんど気付かれない)
● 電線やレシーバーが細い為、耳や外耳道といった肌に接触する面積や圧力が少なく、また本体も比較的軽い為、物理的には装用している感覚が最も少なく感じる種類(=初めての方でも違和感が少ない)
● 耳穴に入れる耳栓の種類が豊富で、穴が空いた耳栓や、小さな耳栓を選択可能。それにより、密閉感や閉塞感、こもり感を軽減できる。
● レシーバーの種類を、音が優しいタイプや大きな音が出せるタイプなど、取り換えることで、軽度~重度まで様々な聴力に対応できる。購入後に聴力に変動があっても、本体はそのままでレシーバーのみの買い替えで対応できる場合がある。
● 充電式補聴器が存在する(BTEタイプや耳穴タイプの充電式補聴器はまだほとんど発売されていない)

短所

● 眼鏡やマスクを着けると不便さを感じる場合がある(眼鏡のテンプルと補聴器がカチャカチャぶつかる、マスクの取り外しの際に補聴器が引っかかってしまうなど)
● 電線が細く、本体も小さい為、指先でつまみにくく、装用を難しく感じる場合がある
● (耳あなタイプと比較すると)マイクが耳穴部分に位置しない為、耳本来の集音効果( 耳介効果) が得られない。

耳かけ型

比較的歴史の長い補聴器です。マイク・アンプ・コンピュータ・レシーバーといった機械類が全て一つのケースの中にまとまっており、耳の裏に位置します。レシーバーから出力した音がチューブの中を通って耳穴に挿入した耳栓部分までを空気伝達する仕組みです。見た目がRICタイプと似ていますが、レシーバーの位置が異なります。

長所

● 耳穴型などと比較するとサイズの制約が無い為、ボタン類や通信系の機能が省かれていない場合が多い
● 同様の理由で、大きな音を出す機械や大きな電池を搭載することができる為、重度難聴の方でも対応可能
● RICタイプと比較すると、チューブが太く本体も大きい場合が多い為、指先でつまみやすく装用しやすい
● 耳穴型と比較すると、音が出る部分とマイクが離れている為、ハウリングが発生しにくい。

短所

● 眼鏡やマスクを着けると不便さを感じる場合がある(眼鏡のテンプルと補聴器がカチャカチャぶつかる、マスクの取り外しの際に補聴器が引っかかってしまうなど)
● レシーバーから鼓膜までの、チューブを空気伝達する際、音への影響が多少ある

耳あな型

耳あな型補聴器は全ての部品が一つのケースにまとまっており。耳穴に収まります。耳穴の形と聴力に合わせてオーダーメイドで作製するタイプが一般的です。

長所

● 大きなタイプの耳あな補聴器もございますが、極小タイプの耳あな補聴器の場合、耳あなの奥まで補聴器が入り、すっぽりと隠れてしまう為、周囲から見て、補聴器を装用していることに気付かれにくい

● 形状がオーダーメイドであり、シンプルなタイプの為、落下の心配が少ない(例えば補聴器をつけたままTシャツを着替えようとすると、他の種類の補聴器だと引っ掛かって落下しやすいが、耳あなタイプの場合、比較的引っ掛かりにくい)
● 装用が耳穴にはめるだけの1ステップで単純
● 耳穴部分にマイクが位置する為、耳本来の集音効果(耳介効果)が得られやすい

短所

● 大きさの制約がある
● 大きなレシーバーやアンプ類を必要とする高度~重度難聴者の場合、必然的に本体サイズが大きくなる。また、場合によっては耳あな型補聴器では対応できない
● 部品を搭載するスペースが足りず、通信する為の機械が搭載できない場合が多い
● 電池のサイズが補聴器サイズに応じて小さくなるため、必然的に電池寿命が短くなる
● 基本的に、耳穴を完全に塞ぐため、軽度難聴の場合など、閉塞感を感じやすい(閉塞感の対策として、補聴器にベント(通気孔)を空けるか、極小サイズの補聴器にするという方法があるが、それでも難しい場合はRICタイプがお勧めです)
● レシーバーとマイクの距離が近い為、ハウリングが発生しやすい
● 充電式補聴器はほとんど存在しない
● メーカーが新しいテクノロジーを開発した際、まずはRICなどの形状で発売する場合が多く、耳あな型での発売は1~3年前後遅れる傾向にある(=最新のテクノロジーを享受できない場合がある)

ポケット型

音楽プレーヤーやポケットラジオのように、イヤホン部分と「長いコードでつながった本体」という形をした補聴器です。他の種類の補聴器と違い、本体をポケットに入れたり、洋服にクリップで留めたり、首からぶら提げたりといった取り扱いをします。

長所

● 器種によりますが、液晶画面がついていたり、ダイアルやボタンに大きな字が書いてあったりするため、手元で本体が目に見える状態で操作を行うことができる(他の種類の場合は、補聴器が耳に装用されている為、感触で操作を行うことになる。ただし、近年の補聴器はスマートフォンをリモコン替わりにすることができるものが増えており、そういったタイプであればスマートフォンを使用して操作が可能。また、専用リモコンが発売されている器種もあります)
● 一般的に乾電池を使用する為、電池が長持ちする(通常数か月)
● 入院中の方など、横になったままで「会話するときだけ装用する」といった運用をしやすい

短所

● 本体とイヤホン部分が分かれており、コードもあるため、家事や運動・仕事をする際邪魔になる
● マイクが補聴器本体についているものが多く、ポケットの中に入れた際の衣擦れ音や、首から提げた際に身体とぶつかる音がうるさい
● 一般的なデジタル補聴器のように、装用者に合わせた細かい音質調整ができないものが多い

● 他の種類よりも需要が少ない為、大手の補聴器メーカーは開発・製造していない場合がほとんど
● メーカーが耳かけ型や耳あな型の補聴器を主力としている為、新たに技術開発をされることがほとんどなく、10年以上昔の技術で停滞している場合が多い

まとめ

補聴器を選択される際には、ご自身の聴力を知ることが第一歩であり、ご自身の生活環境やどのような場面で補聴器を活用したいかということをスタッフに伝えることでご自身に合った補聴器を選ぶことにつながります。

周囲の方と同じ補聴器が必ずしもあなたに合っているとは限りませんので、しっかりとスタッフとご相談の上、判断されることをお勧めいたします。

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